『忘れ種』とは、心配や心の憂さを忘れる・吹き払うものとういう意味らしいです。
『ワスレグサ(忘れ草)』は、実際にも花が存在し、
花が一日限りで終わると考えられたため、英語ではDaylily、と呼ばれます。
実際には翌日または翌々日に閉花するものも多い。
中国では萱草と呼ばれ、「金針」、「忘憂草」などとも呼ばれる。
『ワスレグサ』は、ユリ科ワスレグサ属の多年草で
ヤブカンゾウ・ノカンゾウ・ハマカンゾウをいい、
その他には、ニシノハマカンゾウ・アキノワスレグサ・ホンカンゾウなどがあります。
『忘れ草』は、万葉集や古今和歌集そして枕草子など古文にも沢山使われています。
◆ 万葉集 ◆
◇ 作者:大伴旅人 第3巻
忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため
◇ 作者:大伴家持 第4巻
忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜の醜草 言にしありけり
◇ 作者:柿本人麻呂 第11巻
我が宿の 軒にしだ草 生ひたれど 恋忘れ草 見れどいまだ生ひず
◇ 作者:不明 第12巻
忘れ草 我が紐に付く 時となく 思ひわたれば 生けりともなし
◇ 作者:不明 第12巻
忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり
現代書籍では、『恋忘れ草』という書籍が文春文庫から出版されています。
著者は、北原亞似子さんです。
内容は、この道一筋と心に決めても、惚れた男の面影が心をよぎる。
恋に仕事にひたむきに生きる江戸の女たちを描いて直木賞に輝いた傑作集らしいです。